今週、人生初の体験、いや、試練が待っている。
過去、いかなる試練も乗り越え、いかなる苦難も自力で解決、または遁走してきた。
遁走したほうが多いかもしれん。
そんな私に今週、未だ味わったことのない恐るべき関門が待ち受けている。
合コン。
満25歳。独身。自動車免許はAT限定。特技:蛇の捕獲。
合コンに行くことなんぞ、世間の皆様にはなんてこたあない事なのだろう。
書くまでもないことなのだろう。
しかし、僕にはものすごいハードルだ。
過去、合コンというものをただの一度たりとも経験をしたことがない。コンパと呼ばれるものは何度かあった。大学時代、「●●コン」という形で飲み会は何度かあったが、気の知れた人間同士であり、それは一種の「行事」であり、また、男女に重点を置いたものでは決してなかった。
そのくせ、コンパと名の付くものはすべて憎んだ。茶道部の連絡ノート、「茶道部今月の予定」として「他部の新入生歓迎コンパに対するテロ」などと書いては、コンパたるものに恐れおののく矮小な己にカタルシスを施した。
お呼びがかかったことはあった。が、すべて断った。いや、逃げた。それこそ遁走した。
そんなおっかないもの、行けるか。100%出ると噂の猟奇殺人事件があった廃ホテル、住んだ人間全員が首を吊った廃屋、 脳みそを垂れ流した女が「私の左目・・・どこ・・・」と尋ねてくるらしいトンネル、そんなものすべて、合コンなるものに比べればオートセンターモリ※の子供用遊具ゾーンに等しい。
と、かなりシリアスに書いてみたが、いやほんとにおっかないですよ。
ごーこん、という響きで「ひ~!」となる。なるだろ普通。
だってね、知らん女の人が来るんですよ?知らん女の人達と「何月何日何時に飲みます」なわけですよ。不意打ちのほうがどれだけ楽か。
おっかなさにもわけがある。
ある女性が言った、
「この前合コン行ってんけどさ~、もう男全員終わっててさ~、最悪やった~」
そんな言葉を聞けば、
―――お師匠様、町は汚れています。
などと、戸隠山あたりで山篭りをされている架空の師匠に報告したくなる。
最悪てなんだよ。そんな事言ってやるなよ。そもそもその男だってもしかしたらあんたらのこと(ry
このたび行われるその「ごーこん」、我々男性側4人は、全員保育園からの付きあいだ。たびたびこのブログに現れる、ドクターK、H、店長、そして僕の4人だ。この中の一人が、「セッティング」なるものをした。そんなんできる人やったんですか!という畏怖の念は否めない。
この4人は、今年で22年目の付き合いになる。僕以外は、全員合コン経験者(のはず)だ。
この4人で合コンなんぞをするのは、これが最初で最後になるだろう。
メンバーのうち一名は、来年結婚予定である。ゆえに、今しかない。
大袈裟だが、記念式典的な様相を呈している。
もう、逃げられない。
ここで逃げれば、仲間内では一生の汚名だ。まあ、スノボー、クラブなどの誘いを完全ボイコットし続けてるゆえ、すでに「ややこしい奴」の烙印を押されているのはとっくに承知しているのだが。
自己紹介の練習からだ。
自己紹介とかってするのか。
分からん、分からんのだよ何もかも。
※オートセンターモリ
伊賀市南部にある中古自動車屋及び整備工場。マスコットはピンク色のゴリラ、その名もモリラ。