今年も行ってまいりました四天王寺古書市。
思えば前回行ったあの日からすでに一年が経っている・・・そうそう、去年の骨董市では『帰ってきたナチ』というタイトルの絵本に度肝を抜かれたのだった。
今年はいいのあるかな。
今日は平日であるというのに、人がたくさん。今日でこんだけいるってことは、明日からはもっと増えるんじゃなかろうか。
とりあえず、古書市といえばワゴンセール。去年は医学系の和本を探してるお兄さんとバッティングしたのだ。
で、今年も和本めぐりをしていると、やたら一人でしゃべくり倒しているおじいさん出現。
ここ全部俳書や~
ここ講談かいな~
だんだん、だんだん、近付いてくる。僕が物色してる棚まで近付いてくる。となりの棚まで来た。
あらへんな~
あのね、僕は分かるんです。「話しかけてほしいおじいさん」の、オーラっていうやつが。
僕が物色してる棚を遠慮がちに覗きながら、
ここなんや?
とか言ってたら、無視はしたくない。
「ここは歴史関係ですけど・・・」
言ってみれば、やはりおじいさんテンションアップ。
歴史か!ここもちがうわ!
彼は待っている。僕の言葉を待っている。
「どんなん探してるんですか?」
二年連続のこの言葉。この言葉を皮切りに、おじいさんの演説が始まった。
んで、あまりに長かったので要約するが、とりあえず、「堺県の地理関係」の書籍を探しとるらしい。
堺県というものに関して、おじいさんは僕にもっと講釈したかったようだが、残念な事に大学の人文地理で習っているので
「奈良が含まれてた県ですよね?」
と言えば、おじいさん、
「あんた、先生か?」
いや、先生は今日は学校があると思いますよおじいさん。
んで、僕は地理関係の棚の前を通っていたので、あっちですよと教えてあげた。
お礼なのか、おじいさんは僕が探してる本を一緒に探してくれた。
「小笠原流礼法書・上」という、絵入りのなかなか面白い本あったのだが、
「どうせなら上下セットで欲しいんですけどね~」
と迷う僕に、
「下はな、おもしろくないで。和歌ばっかりや。読む価値ない」
とのこと。由緒ありまくる武家、小笠原家の礼法書の下巻を「読む価値ない」と一刀両断するのもすごいが、こんなマニアックな和本を読了済みというおじいさんに驚いた。
世の中いろんな人がいるもんだ。
その後、おじいさんによさげな本を売っているらしい書店の情報をもらい、さよならした。
今年も両掌が真っ黒クロスケになった。
29日まで開催中です。
あのおじいさんがいるかは不明ですが、和本コーナーで一人ぶつくさ言ってる人がいたらたぶんその人です。