コアな方というのはいらっしゃるようで、僕としても嬉しい次第。
左上の画像が数日前から変わっているのはお気づきだと思うが、友人の一人があれは一体何なのかと興味を持って尋ねてきた。
素晴らしい着眼点です、目は取れちゃってるけど。
漫画だというのはお察しいただけると思うが、ジャンプやマガジンをいくら読んでも、「目玉をはずして『そうはさせないよ!』と叫ぶ女」には出会えないと思われます。
これを書いたのは日本が世界に誇る天才怪奇漫画家、いばら美喜大先生その人であります。
誰だそれ。知らね。
楳図かずお、丸尾末広、日野日出志、ここらへんはちょっとマニアなあなたなら存じているかと思います。しかしこの御三方の作品は、漫画としてそれなりのクオリティを保っています。おどろおどろしさ、毒々しさの中にも作品として評価すべき点が多くあり、それ故にカルトなファンがいます。
しかし、中にはあまりにもブ飛っびすぎて、暴走してしまい、本人だけが納得して読者がまったく付いていけない、想像を絶するストーリーの怪奇漫画があります。その筆頭であり帝王だと思うのが、好美のぼる大先生といばら美喜大先生。
両者に共通している事、それは、
絵がヘタ
途中で話が変わる
説明してくれなきゃ分からない展開がバンバン起こる
意味不明
オチが超テキトー
「さっきの話はどうなった!」 「なんでお前がそこにいる!」 「お前誰だよ!」「なぜ手が飛ぶ!」「なぜそいつを殺す!」「誰のセリフか分かんないぞ!」「終わりかよ!」
読んでいてツッコミどころが絶えず現れ、そういう意味では読者を飽きさせない。
中でもひどかったのが、いばら氏の「港町」という作品。
ひたいに穴の開いた幽霊が、自分を撃ち殺した犯人達を殺すために港で待ち伏せ。そこに現れた犯人の額を打ち抜く。たまたま通りがかった青年にもう一人の犯人を連れてこさせる。しかし、ひたいに穴の開いたこの幽霊こそが本当の犯人だったのだ!青年危うし!
その時だった。序盤で殺されたはずの男が立ち上がった。実は彼は刑事だったのだ!そして開口一番、
「この針金で・・・」
針金!?
なぜか手に持った針金をしゅるしゅると延ばし、
幽霊殺人鬼の頭に針金を貫通させてしまったではないか!
「私もこの男も二度とこの世には現れないだろう・・・」
と言い残し、消える刑事。そう、実は彼も幽霊だったのだ!!!!
「消えた・・・」という青年の姿で話は終わる。
一体あの針金はなんなのか。説明してくれなきゃまったく分からん。なぜ針金なのか、毛糸ではだめなのか。実は殺されたと思った刑事も幽霊だったという展開もいきなりすぎて付いていけない。
恐るべし、いばら美喜。
さて、この「そうはさせないよ!」の続きはどうなるのか、
こうなります。